2011年11月23日水曜日

考え方を変える

あなたの前に4枚のカードが並べられている。
片面には数字が、もう片面にはアルファベットが書かれている。
「E」 「4」 「3」 「J」

最小枚数のカードをめくって、「カードの片面に母音が書かれている場合、そのカードのもう片面には奇数の数字が書かれている」というルールが正しいかどうかを確かめるには、どのカードをめくるのがいいか。

ちょっと考えてみてほしい。



その間に、この時期にぴったりの1枚をご紹介。
↓ええわぁ、コレ。

LUPIN THE THIRD JAZZ CHRISTMAS


  LUPIN the THIRD JAZZ “Christmas” - 大野雄二トリオ
LUPIN the THIRD JAZZ “Christmas” - 大野雄二トリオ &フレンズ


問題の続き。

「E」と「3」のカードと答えたあなた。
このような考えから、この2つを選んだと思う。
もしEのカードの裏側に奇数が書かれ、3のカードの裏側に母音が書かれていれば、どちらもルールが正しいことの証拠になる。
確かにその通りだが、証拠となる例がふたつあるだけでは、ルールの正しさは証明できない。

Eのカードをめくることは、ルールの誤りを示しうるので、役に立つ。
もしEの裏に偶数が書かれていれば、ルールは誤りだったということになる。
Jのカードは役に立たない。裏に何が書かれていてもルールの成否には関係しないからだ。
3のカードは、もしその裏に母音が書かれていれば、ルールの正しさのひとつの証拠となるが、ルールが間違いであることの証明にはならない。もしうらに子音が記されていたら、ルールとは関係のない組み合わせなので、何の証拠にもならないからだ。

上記の理由から「E」と「4」のカードをめくる、が正解となる。
もし、4の裏に母音が書かれていれば、ルールの誤りを証明できるからだ。

注目したいのは、証拠となる例がいくらあっても、ルールの正しさは証明できないが、反証となるひとつの例によってルールの間違いは証明できる、という点だ。

私たちは人生の様々な局面で、仮説を立て、状況を理解しようとする。
そして、一旦何らかの納得できる説明が得られると、執拗にそれにこだわる。
その正しさを示す証拠を見つけようとし、その反対の証拠からは目を逸らそうとする。

「人間の知能はひとたびある意見を持つと、それと一致し、その正しさを記してくれるあらゆるものを集めようとする。そしてその意見とは合わないもっと多くの、もっと重要な例が見つかったとしても、それは無視されるか、軽視されるか、あるいは何らかの区分によって脇へやられるか、否定されるかする」 ーフランシス・ベーコン

何故私たちはなかなか自分の考えを変えられないのか。

心理学者スチュアート・サザーランドによれば、5つの原因があるという。
①自分の考えを覆されるかもしれない証拠には、私たちは自らは決して向き合おうとしない。
②そういう証拠を突きつけられても、多くの場合、それを信じることを拒む。
③何らかの考えをもっていると、その考えに合うようにものごとを解釈するので、新しい証拠をありのままには受け入れられない。
④私たちは自分の考えと調和することを選択的に記憶する。
⑤私たちは自尊心を守ろうとする。


どうしたら反対のことを考えられるのか。

一旦自分の考えを脇において、「もし~だったら、どうなるのか」と考えてみればよい。


自分がいつも集中の考え方をしているのを分かった今、拡散の思考も取り入れて、しっかりと自分の頭で考えて前に進んでいかねば、なかなか成長しないだろう。


↓参考